敏感期とは -モンテッソーリの感受性教育-

モンテッソーリが考える「敏感期」とは、生物の幼少期に、ある能力を獲得するために、環境中の特定の要素に対して、それを促える感受性が特別に敏感になる一定期間のことです。子どもが敏感期の親の対応法をわかりやすく解説します。

敏感期とは -モンテッソーリの感受性教育-

「敏感期」とは、生物の幼少期に、ある能力を獲得するために、 環境中の特定の要素に対して、 それを促える感受性が特別に敏感になる一定期間のことです。

これに最初に注目したのは、オランダの生物学者ド・フリース(1848-1935年)でした。 モンテッソーリが「子どもはある対象に夢中になる時期と無関心になる時期があるのはなぜだろう」と いう問いを抱いていた時、 ド・フリースが生物学の領域から見られる敏感期が人間の幼少期にもあるのかどうか観察することを進め、 モンテッソーリは人間の幼児期にも敏感期が訪れることを見つけました。

つまり、子どもにはある能力を獲得するために、 ある環境とかかわるための「感受性」が高まる一定期間があって、 その期間は強い感受性がサーチライトのように一定の範囲を昼のように明るくします。 それに照らし出されたものは、子供を感激させ、 まるで恋をする者のようにそれと関わりに夢中になります。 その能力の獲得が終わると無関心と怠惰のヴェールが心を覆いますが、 すぐに次の炎が点火され、また子供の心は燃え上がります。 こうして次々と新しい能力を獲得していきます。

敏感期と臨界期、感受性紀について

最近は「敏感期」という言葉が、「臨界期」や「感受性紀」という用語と 共通の意味を持つものとして語られるようになりました。 動物行動学者ローレンツや神経生理学者のヒュ-ベルなどが、 動物実験で「臨界期」の事実を明らかにしました。

一方、脳科学者「感受性紀」という用語で同じ事実を語り始めたのは20世紀後半になってからです。 このころから、「敏感期」という用語は、 「臨界期」や「感受性期」と共通する事実と語られています。 ド・フリースからおよそ半世紀を経て「敏感期」という用語はようやく一般化してきたのです。 20世紀後半になって動物行動学者や神経生理学者や脳科学者たちが語る 「臨界期」「感受性期」「敏感期」という言葉は、教育の世界でも注目され始めています。

幼児教育会では「早期教育」がこの概念に便乗する傾向があるのは残念なことです。 モンテッソーリ教育が教える「敏感期」の見方、 その特徴とエネルギーは人間の子供を観察して確認したもので、 早期教育に役立てるためのものではありません。 子供が生き生きと喜び輝いて生きるのを支えるためのものですね。

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本記事はモンテッソーリの幼児教育の概要を掲載しております。記事を参考にする際はご自身の責任のもと、育児にお役だてて頂けたらと思います。