モンテッソーリは「嗅覚の敏感期」には、嗅覚を刺激することで、脳の発達に繋がると紹介しています。
嗅覚は胎児のうちから発達していて生まれてすぐに、 お母さんのおっぱいを匂いで探して、唇の触覚の働きでお乳を飲みます。
お母さんの匂いは子どもに刷り込まれます。 お母さんも子どもの匂い(子どもの体脂は脂肪酸でアルデヒド系の香りを持っています。
母親の意識には上らない無意識レベルであっても産後の心と体の安らぎには最高の芳香療法になります。)を記憶します。
赤ちゃんにとって、母乳を口にできるかどうかは、生存に関わる大問題です。
野生の動物並みとはいかないものの、母乳やお母さんの臭いをかぎ分けられるように、 生まれたての赤ちゃんでも、嗅覚は十分に発達しています。
だから、赤ちゃんの嗅覚は大人以上に優れているとも考えられているのです。
嗅覚は、五感の中でも独特な位置が与えられている感覚です。 嗅覚は根源的な性質を持っていると考えられます。
五感のうちで、感覚情報が感覚器官からダイレクトに処理器官に直行するのは、嗅覚だけだからです。
臭いは、香りの分子が鼻の臭粘膜から臭神経を通って、脳の深部、辺縁系と呼ばれる部位 にある臭中枢に到達します。
嗅覚以外の感覚の情報は、いったん視床という中継基地を経由してから、それぞれの最終目的地へ運ばれます。
視覚や聴覚で得られる情報は複雑で、あいまいな状況では誤解が生じやすいので、 脳は判断を下す前に念入りに詳細を見きわめようとしているのです。
脳に直結した嗅覚の伝導路は進化の初期の名残と解釈することも出来ます。
太古の昔、動物が生き残っていくには臭いをかぎ、快・不快や安全・危険を即断することが不可欠だったのからです。
また、辺縁系の嗅覚野の近くには、扁桃体という情動や感情に関わる中枢があります。 臭いが人の感情に強い影響を与えるのももっともなことと考えられます。