「運動の敏感期」環境は、子供の平衡感覚を養える環境作りが大切です。運動の敏感期に体の平衡感覚を身につけた子供は、その後の生活で不注意から事故に遭うことが少ないでしょう。
モンテッソーリ教育を実践している幼稚園や保育園での「運動の敏感期」環境は、 2×3メートルほどの空間があって、そこに幅5cmくらいの白いビニールテープで楕円が描かれています。
その白い線の上を子供達は片足の前にほかの足を交互に起き、 綱渡りのように歩きます。
保育士が最初にどのように足を運ぶかを黙ってはっきりしてみせると、 子供達は、保育士に「して見せられた運動」にあわせて、 転ばないように平衡を保って緊張して進んできます。
平衡を保って歩くことを覚えると、手に燃えるローソクをもったり、 頭の上に何かを載せたりして歩き、より高度の平均感覚を身に付けることに挑戦します。
これを毎日繰り返すうちに子供達の歩き方は安定し、 身のこなしがしとやかになり、落ち着きが生じてきます。
また、子供は重い物を持つのが大好きです。
均衡感覚といって、重い物と自分の体力との均衡関係を保ちあっているのです。
子供が重い物を「ヨイショ!ヨイショ!」と持っているようなものなら、 「あっ、落とす!」と取り上げたり、「ダメよ」と阻止したり、 代わりに持ってあげたりする大人が多いと思います。
しかし、子供の荷物(訓練中)に大人が持ってあげては、 子供は均衡感覚を身に付ける訓練がなかなかできません。
重い物を持ちたがり始めたころから、 何度もしっかり持って歩いた子供は幼児期の終わり頃には すでに挑戦する力や耐える力が育っています。
買い物の帰りに重い物を持ってもらったり、 お膳立てのときに食器を載せたお盆を運んだりするのも訓練になります。
幼児期に、さまざまの機会を見つけて、体の平衡感覚を身につけた子供は、 その後の生活で不注意から事故に遭うことが少ないと言われています。
しかし、好き勝手に危ないこともさせてよいのではありません。
子供の傍で見ている大人が「子供は、バランス感覚を身に付けている訓練中」であることを 意識してバランスをとる訓練に挑戦する子供を注意深く見守ることが大事です。